
「十二人の怒れる男」をまともに見た記憶がなかったので、TUTAYAでレンタル。
てっきりシドニー・ルメット版だと思っていたら、なぜかカラー?
97年にTVムービーとしてリメイクされたウィリアム・フリードキン版でした。(^^;
まあ、もともとはテレビドラマが原版なので(当時は生放送だったらしい)、映画よりは予算の少ないテレビの方が合っている規模の作品でしょう。
ルメット版も映画としては低予算(それでも当時の円換算では1億2千万を超えている)・短期間で撮影されたとのことですし。
今回のバージョンも、ルメット版と同じ脚本を使用して予算削減・省エネ化を計った模様。
もっとも、この脚本なら短期間での撮影も納得できるかな。
役者の力量さえあれば、監督はほぼカメラ位置を決めるだけでいいし、ポスプロも必要ないし。
それだけ、脚本は良くできていると思うのですが、欲を言えば、冒頭の裁判シーンを20分ぐらいで描いて欲しかったところ。
そうすれば、本格ミステリとしても十分成立すると思います。
今のままでは、重要な手がかりが後出しになっているため、終盤のサプライズが今ひとつ、という気がしてしまうのだけど。
まあ、ミステリとして撮る気はなかったんだろうなぁ。

第8陪審員役は、ジャック・レモン。
渋い。
ルメット版のヘンリー・フォンダより、個人的にはこちらの方が説得力があるように思う。
ただ、「怒れる男」というにはやや枯れ過ぎかな。

第3陪審員役のジョージ・C・スコットを激昂させたところ。
この手の表情は、熟練の俳優ならではですね。

ラストシーン。
一人ぼっちのジョージ・C・スコットがなんとも……。
そういえば、今作にはロシア版もあって、それも評価がかなり高いみたいです。
そちらもまた、見てみることにしよう。
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